「輪舞−ロンド」解説

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SIDE.4『帰途』 ちょっとした気まぐれをおこして 歩くことにしたのだ

 思えば、人間は人生の多くの時間を帰宅に費やしています。
 帰巣本能という言葉がありますが、動物が自分のテリトリーや、巣場所から遠く離れた場合、ふたたびそこへ戻ってくる性質や能力がある事は、よく知られています。
 ミツバチは遠くの餌場から、自分の巣へ正確に戻って来るし、伝書バトは何百キロも飛んで鳩舎へ戻る事ができます。人間にとっても、同様の、ある種本能と言えるような衝動があるのではないでしょうか?
 私自身も何度家に帰る夢をみた事か。家を失うのは根源的な恐怖と言えましょう。まして、自分の家に居場所がない、という恐ろしさは筆舌に尽くしがたいものがあります。  ところで、この作品を最初に読んだときから、最後のシーンは谷山浩子のテキストではどうなっているのだろうというのが大きな疑問点でした。
 その答えは収録しているテキストを御覧下さい。これほどまでに、忠実な映像化だったとは! 吾妻ひでおはさすがです。
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